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How to Sumi-e (調墨)

 

筆の穂の中の墨の状態を調節することを調墨といいます。

(絵皿の上で、濃墨と水を混ぜて、薄めた墨を作ることではありません)

一筆に表情(変化)を持たせるために、筆の中に墨の濃さのバリエーションを仕込みます。

 

「三墨法」

最も基本とされる調墨法です。

穂全体に水を含ませた後、穂先だけに濃墨をつけ、絵皿で叩きながら転がし、墨を穂元に吸い上げさせ、穂先から穂元にかけてグラデーションを作ります。縦向きに置いた筆を、横に走らせて線を引くだけで、円柱のような立体感が出ます。

 

「先水法」

「三墨法」の状態を作った後、穂先に少量に水をつけます。筆跡の始まりを柔らかく表現できます。

 

「逆三墨法」

「三墨法」の逆で、穂全体に淡墨を含ませた後に、穂元だけに濃墨をつけ皿の上でころがしてグラデーション状態をつくり、描く前に少し水をつけて最終調整をします。

 

「片墨法」

「三墨法」のようにグラデーションを、穂先から穂元への方向に作るのではなく、筆の穂先から穂元に対して垂直に、筆の片面だけに墨を仕込む方法です。

墨のついた部分を左右どちらかになるように縦に置いた筆を、そのまま手前に引くと縦向きの円柱が描けます。

また、墨のついた部分を上にして縦に置いた筆を、そのまま手前に引くと両サイドに影が入る縦向きの円柱が描けます。